とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
株式会社 アールピーアイ栃木
■施設・事業所情報
名称 宇都宮市大谷保育園 種別 保育所
代表者氏名 瀬下 治恵 定員(利用人数) 80人(78)
所在地 〒320-0065
宇都宮市駒生町1792
TEL 028-652-0148
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和3年5月27日(契約日)~ 令和3年12月9日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (2011年度)
■総評
◇特に評価の高い点
1 職員全員が園児一人一人に心を配り、大切にする保育が実践されています。
本園の保育理念の第一に「一人一人の最善の利益を第一に考え、未来に向かって生きる力を育みます。」と掲げ、一人一人を大切にする保育が実践されています。本園は定員が80人と比較的小規模な保育園であり、職員全員が園児一人一人の名前、顔を覚えています。そしてさらに園児とその保護者が一致するまで、それぞれの保護者の名前、顔を覚えています。個々の園児の個性、身体状況、家庭環境など、園児一人一人の状況に心を配り、きめ細やかな保育を行っていることがうかがわれます。
利用者アンケートでは、「保護者の顔を見て、どの子の親なのかを全ての先生が把握していることが素晴らしいと思い、安心できます」とか「少人数制で子ども一人一人をよく見てくださっているのを感じます」といった感想、意見が数多く寄せられています。一人一人を大切にした保育の実践が園児、保護者と園との信頼関係を築いていることが確認できます。

2 工夫ある保育に取り組んでいます。
本園の保育方針には「自分で考え元気に遊べる子ども」や「友だちやいろいろな人との関りを通して思いやりのある子ども」などが掲げられており、その実現に向けて工夫ある取組が行われています。
運動会で色を塗って飾った国旗から発想を膨らませた子どもの思いを汲み取り、国(国旗)と給食・食材の関係(カレー:インドなど)を子ども達みんなで調べ上げ、クラス内に掲示しています。0歳児では、子どもが指先を使ったり、引っ張る・押すなどの動きを促す「サイコロ」や「お散歩ワンちゃん」などの手作りおもちゃを職員が作ってきました。
また、運動遊びの一つとして行っているものとして「忍者検定」があります。「でこぼこ道渡りの術」、「マット運動・前転の術」、「水とんの術」など名称も工夫を凝らし、また、場所も廊下やテラスを活用したコース設定など、楽しく運動遊びが行われ、さらに異年齢のグループ活動や検定方式とするなど、思いやりの心や向上心などを育む素敵な取組になっています。
このように子どもの発想も生かしつつ、職員の創意工夫により、楽しみながら元気で思いやりのある子どもを育てる保育に取り組んでいます。

3 地域や自然と一体となった保育が行われています。
本園は宇都宮市の郊外に位置し、周囲には豊かな自然が広がっています。園舎がやや手狭なこともありますが、「元気な子」として積極的に屋外遊び、園外活動に取り組まれています。
散歩コースは方面別に大きく3つあり、「周辺田んぼ、トトロの森編」や「戸室山編」、「健康の森編」と様々な自然とのふれあいができるコースとなっており、手作りのマップには各コースのヒヤリハットポイントも記載するなど、安全に楽しい活動を心掛けています。また、散歩で拾ったマツボックリやドングリは、「マツボックリお化け」として製作活動に活用するなど、楽しみながら工夫して取り組んでいる様子がうかがえます。
地域との関わりについては、「大谷石夢あかり」(地区祭り)への出展や、「押し花づくり」(地域老人会との交流)、近隣果樹園での「梨狩り」、高齢者施設「みちおせ荘」訪問による高齢者との交流、「書道教室」(シルバー大学校卒業生による指導)、「リトミック」(ボランティアによる指導)など、多くの方々の協力を得て、取組を活発化させています。新型コロナウイルスの影響により中止となった活動もありますが交流は継続しており、令和4年度以降の活動再開が待たれます。
◇改善を求められる点
1 全職員が園情報を共有するさらなる工夫、取組が望まれます。
園の職員は正規保育士、会計年度任用職員の保育士・看護師・用務員などのその他の職員に大きく分けられ、さらに会計年度任用職員の保育士は、フルタイムと短時間に分けられます。フルタイムの保育士については、正規保育士と同様の就業時間で勤務していますが、短時間の保育士は早番・遅番、午睡といった限られた時間での勤務、また出勤日や就業時間が限定された勤務になっています。
これに対し園では、職員や保護者との連絡ノートの工夫、朝夕のミーティング記録、職員会議録の回覧・閲覧チェック、日頃の園長の声掛け、園内研修の参加促進など、園内情報の共有化、活動の周知に努力している様子がうかがえます。しかし、今回実施した職員アンケートの結果では、園内情報・活動の周知の課題、園の協議・決定プロセスの課題を指摘する意見も見られ、必ずしも十分とは言えない状況もうかがわれます。
園は全職員がそれぞれの役割を担い、それぞれが連携して運営されています。園のスムーズな運営、活性化において情報の共有化は重要であり、さらなる工夫、取組が望まれます。

2 苦情解決制度の周知が望まれます。
本園の職員は、すべての子どもの名前を覚えて声を掛けるなど、アットホームな雰囲気があり、相談事等も気軽に話せる雰囲気があります。
気軽に相談できる保護者と職員との関係を構築していますが、直接言いづらい場合に職員以外の人(第三者)にも相談できる制度として、「第三者委員等苦情解決制度」があります。今回実施した利用者アンケートでは、その認知度は必ずしも高いとは言い難い状況がうかがわれます。
「第三者委員等苦情解決制度」については、これまで重要事項説明書に記載し保護者に説明をしたり、テラスに掲示し周知を図ってきましたが、より丁寧な説明、見やすくわかりやすい掲示など、一層の周知に努めていくことが求められます。

3 園を取り巻く様々なリスクに対し、一層の安全管理対策への取組が望まれます。
近年、台風や大雨などによる自然災害が頻発し、宇都宮市を始め県内でも大きな被害をもたらしています。また、子どもを巻き込んだ事故や事件が多発し、大きく社会問題として取り上げられています。
本園は豊かな自然に囲まれ、近隣との交流を盛んに行っています。園内外の活動のために危険個所については細心のチェックを行い、様々な対策を取ってきました。しかし園を取り巻く社会環境、情勢は大きく変化しています。今後も園内外における様々なリスクに対し、さらに一層の安全管理に取り組んでいくことが求められます。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受審するにあたり、全職員で自己評価に取り組みました。特に保育内容については、再確認するきっかけとなり、保育に対する意欲を向上させることができました。
今回「一人一人に心を配り、大切にする保育が実践されている」との評価をいただきました。「一人一人の子どもの最善の利益を第一に考える」を保育理念の一番に掲げておりますので、大変うれしく思います。また改善が求められる点ついては、真摯に受け止め、全職員で共有し、園児、保護者、職員にとって利用しやすい保育園になるよう、改善に努めたいと思います。
今後も大谷保育園ならではの家庭的な雰囲気を大切にし、地域社会と連携を図り一人一人の子どもを尊重した保育を続けていきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。