とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
株式会社 アールピーアイ栃木
■施設・事業所情報
名称 下野市立吉田保育園 種別 保育所
代表者氏名 野口 恵美 定員(利用人数) 50人(25)
所在地 〒323-0105
栃木県下野市本吉田783-1
TEL 0285-48-5054
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和4年9月6日(契約日)~ 令和5年2月28日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (平成29年度)
■総評
◇特に評価の高い点
1 小規模保育園の良さを生かし、一人ひとりに向き合ったアットホームな保育が行われています。
 本園は園児数が25名で、保育士が12名という小規模な保育園です。保育士たちは全員、25名の園児たちの名前、顔はもちろん、一人ひとりの個性をもよく理解し、一人ひとり向き合い、それぞれの個性を引き出し、伸ばす保育が丁寧に行われています。
 また、12名の保育士たちはコミュニケーションをよく取り合い、助け合いながら、チームワークの良い園の運営が行われています。
 少人数の園児、少人数の保育士により、アットホームな雰囲気の中で、園児たちは伸び伸びと成長しており、保育士たちは保育を楽しみながら仕事している姿が見られました。

2 一人ひとりの個性を引き出す保育が行われています。
 訪問調査の日は雨で、園舎内でダンスが行われました。5歳児が事務室に来て園長先生と主任先生に「失礼します。先生、一緒にダンスしませんか。」と誘ってくれました。3つの教室に分かれ、0・1歳児も参加して、全園あげてのダンス大会となりました。曲は「マツケンサンバ」と今年のアニメの主題歌「新時代」の2曲です。振付は子どもたちが自由に踊る姿を参考に完成したもので、0歳から先生まで一緒に楽しく踊る様子は圧巻でした。
 子どもたちが自由に踊る姿を見て、それをダンスの振り付けにする。子どもたちが興味を持った絵本「いちにちシリーズ」をもとに、子どもたちが「なりたい職業になってみる」ことを出し物とした発表会を行うなど、子ども一人ひとりを大切にし、子どもの持つ個性・考え等を引き出し、生かす保育が行われていると、様々な場面で確認することができました。

3 職員研修による資質等の向上に努めています。
 職員間で危機管理の意識を共有する園内研修が行われていました。「恐ろしい顔をした人が入ってきました。とても怒っていますが、何を言いに来たのでしょう。」との例題が出され、職員はそれぞれに「人」や「場面」を想像し、「原因」と「対策」を考えるというものでした。各職員の回答は様々で、それをまとめ「危機管理の対応」の一つとなりました。同様に「子どもの虐待」に関する園内研修も行われ、他県での事例をもとに「どうしておこったか」、「わたしたちにできること」に取りまとめ、日々の保育に生かすことが整理されました。
 この他にも「食物アレルギー対応研修会」や「水遊び・プール遊びの安全」など、多くの講演会や研修への参加、園内研修が開催されています。これらはすべて記録や結果がまとめられ、園内会議等で報告されており、職員の資質や技術等の向上につながっていることを確認することができました。
◇改善を求められる点
1 施設の老朽化が進んでおり、抜本的な施設・設備の改善が望まれます。
 吉田保育園の開設は昭和40年11月で、建物としての耐用年数は既に過ぎています。その後、平成8年に改築が行われていますが、基本的な建物の構造、設備は開設当初の状態にあります。また、施設定員は開設当初の60人に対し、現在の園児数は25人になっています。施設・設備の内容と保育需要との対応にもチグハグな面が見られます。
 令和5年度から、民営化による新しい経営組織による運営がなされることから、施設・設備の面においても、全面的な建て替えによる抜本的な施設・設備の改善を行い、新しい吉田保育園のスタートを切ることが望まれます。

2 一層の安全対策の強化が望まれます。
 2022年は全国では通園バス内に園児が置き去りにされたり、虐待が発覚したりと、子どもの安全対策が一層求められる出来事が起きた一年でした。
 本園は隣接して公共施設があり、さらにその周囲は自然的環境の豊かな地にあります。近隣づきあいも比較的盛んな地域で、犯罪等はほとんどない地域でした。これまでも避難訓練、不審者対応訓練などを行い、今年度は防犯カメラを設置するなど安全対策に取り組んできましたが、子どもを取り巻く環境の不安要素が増幅しており、引き続きより一層の安全対策を講じることが望まれます。

3 民営化への丁寧な引き継ぎが望まれます。
 本園は2023年度(令和5年度)から民営保育園になることが決定しており、引き継ぎ等も徐々に進められてきました。
 保護者へのアンケートでは、「少人数」や「一人ひとり」の保育など、現在の吉田保育園に対する評価は高く、また、年長児による「版画カレンダー」や職員が作成する各園児の「アルバム制作」などは継続要望が高い取り組みとなっています。
 民営化が間近に迫る中、丁寧な説明と、現吉田保育園の「良さ」が継続されるよう働きかけが望まれます。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価を受審するにあたり、職員全体で運営や保育の内容を振り返り、見直しをすることができました。運営や保育で取り組んできたことを高く評価していただけたことは、職員の大きな励みになりました。第三者評価を受審したことで、求められていることや課題が確認できましたので、職員間での共通理解を図り、質の向上に努めていきたいと思います。民営化になりましても、現吉田保育園の取り組みの継続を望んでいます。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。