とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 那須塩原市なべかけ保育園 種別 保育所
代表者氏名 秋元 由佳 定員(利用人数) 60人(49)
所在地 〒325-0013
栃木県那須塩原市鍋掛539番地
TEL 0287-62-2251
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和4年6月30日(契約日)~ 令和4年12月21日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3回 (平成30年度)
■総評
◇特に評価の高い点
○園独自のテーマを掲げた保育の実践
  なべかけ保育園は那須塩原市公立保育園共通の「保育の理念」・「保育方針」・「保育の目標」という保育の根幹に加えて、園独自のテーマ〝心すくすく 個性きらきら 笑顔でチャレンジ!~自分の花を咲かせよう!~〟を掲げている。これは保育に当たって園児の主体性を尊重し、子どもが未来に向かって限りない可能性を秘めていることの象徴でもあり、保育を担う職員と保護者、地域住民の願いでもある。就学前の大事な時期、個性を伸ばし新しいことに挑戦する力を育むためのメッセージが読み取れ、掲げられたテーマに園としての使命が込められている。このテーマを会議や研修で取り上げることにより、職員が園独自のテーマの趣旨を理解し、実践に生かしていることが窺える。

○保育園全体で取り組む子ども一人ひとりを受容した保育
 園独自のテーマを発展させたスローガン「なかよく ベストをつくし かんがえてあそべる けんこうなこども」を作成し、子ども達の興味のあることや子どもが考えた遊びの展開やルールを大切にし、環境や体制を整備して保育を行っている。食育の中心的活動である「野菜つくり」については年間計画を作成し、「なべっち」というキャラクターを作り、子どもが進んで楽しく活動に取り組めるよう援助している。保育士は一人ひとりの心身の発達状況や家庭環境、生活リズムを把握し、クラス会議や職員会議で子どもの欲求や内面について共通理解を図り、一人ひとりの子どもについて援助方法や配慮すべき事を定期的に検討して保育に当たっている。

○近隣施設と合同で実施する訓練と防災意識の啓発
 園の敷地は那珂川河岸の崖地上部に位置し、一部が土砂災害警戒区域に入っているため、園独自の「自然災害対策計画」を立てて各種の対策を取っている。「園舎内外、災害、崖崩れ安全マップ」を作成して、緊急時の避難経路を示して職員に周知し、クラス別に「地震・竜巻発生時の避難経路と保育室危険箇所マップ」を作成して、落下物など室内での危険に備えている。
 避難訓練年間計画を立てて、毎月、火災想定や災害想定の避難訓練を実施するほか、隣地の鍋掛公民館との年1回の合同避難訓練や、近隣の小中学校と日程を合わせて、同じ日に災害時における保護者への子どもの引き渡し訓練を実施して防災意識向上のきっかけ作りをしている。さらに、「安全だより」に避難情報(警戒レベル区分)等の記事を載せるなど、園を上げて防災意識の啓発に努めている。
◇改善を求められる点
○事業計画全体の一本化と保護者への周知
  理念や基本方針に沿って園を運営するためには、どのような事業を行うことが理にかなっていて、スムーズに日々活動ができるかを綿密に検証して、事業計画を策定することが重要である。計画に実行性が伴うためには、事業計画策定に直接携わる職員だけでなく、職員全体で趣旨を理解し、保護者にもわかりやすく説明・周知する必要がある。現状では、保護者総会用の事業報告書は行事報告が主な内容になっている。また、入園説明会で使用する「保育園のしおり」にも、行事計画があるだけで、事業計画の全体像には触れていない。行事計画以外にも、多種多様な重要事業があり、保育計画・保育の指導計画をはじめ、職員の研修計画・避難訓練計画・地域交流計画・保健計画・食育計画等々の事業を一本にまとめた事業報告書・計画書を策定して説明することにより、職員や保護者等の理解促進にもつながり、保護者と職員が一体となった保育の実践に繋がることを期待したい。

○保育の標準的実施方法の周知と更なる活用 
 「保育について標準的な実施方法」はクラスの記録簿に綴じられ、計画作成時や子どもの状況把握に活用し、定期的に実施方法について職員会議等で確認をしている。しかし短時間保育士を含め園全体への周知や研修は行われていない。また「保育について標準的な実施方法」の見直しや改善が、いつ、どのように行われたかが記録されていない。
 今後は様々な勤務体制の職員への、標準的な実施方法の周知・研修方法を検討し、見直しの仕組について明確にすることで、標準的な実施方法が更に充実し保育の質の向上に活用されることが期待される。

○苦情解決制度の周知と第三者委員の複数委嘱
 苦情解決の制度・仕組みは市が策定し、苦情解決責任者は保育課長、苦情受付担当者は園長、第三者委員は地域の主任児童委員と定められている。市の文書では、苦情解決制度に則って解決する場合は2名の第三者委員が話し合いに加わるとされていて、苦情の内容によっては公表することも規定されている。
 「保育園のしおり」に苦情解決制度を掲載して保護者に周知するとともに、ポスターを玄関等に掲示し意見箱を設置しているが、苦情の申し立てや意見箱への投函の事例はほとんどない。保護者アンケート結果によれば、苦情解決制度について十分な周知が図られているとは言えない状況が窺えるため、さらに周知を図る工夫が望まれる。市の苦情解決制度の内規では、第三者委員が2名配置となっているにもかかわらず、実際は主任児童委員1名のみの委嘱となっている。県の指導監査でも口頭による指摘を受けていることから、内規通りに2名を委嘱することが求められる。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 なべかけ保育園は、地域との交流が多い園でしたが、コロナ禍でほとんどの交流が中止となっています。コロナ禍でも楽しい保育となるよう、保育園のテーマに沿ったキャラクターを作って行事や食育に取り入れたり、掲示板を利用して保護者の方へ保育園での様子を発信したり、工夫して取り組んできました。その思いが、一人一人を受容した保育として評価されたことはとても嬉しく思います。
 今回、評価を受けたことにより、求められていることや課題が確認できましたので、今後も社会情勢に合わせながら柔軟に対応し、資質の向上を目指し、安心で安全な保育園となるよう取り組んでいきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。