とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人ニッポン・アクティブライフ・クラブ
■施設・事業所情報
名称 那須塩原市大貫保育園 種別 保育所
代表者氏名 三嶋 香織 定員(利用人数) 60(49)人
所在地 〒329-2814
那須塩原市上大貫2077-7
TEL 0287-35-2808
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和2年9月14日(契約日)~ 令和3年3月16日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (2016年)
■総評
◇特に評価の高い点
1.自然に恵まれた環境の中で自然に親しむ保育
大貫保育園は農村地帯に所在し、三方が田畑や雑木林に面しており、子どもたちは小鳥の鳴き声を聴いたり、園内に飛んできた昆虫に触れたり、四季折々のいろいろな草花や木の葉、木の実を活用して造形遊び等で豊かな自然に親しむ保育を展開している。子どもたちは恵まれた自然環境の中で季節の変化を体で感じ、その中での素直な驚き、発見から多くを学んでいる。

2.小規模な保育園での家庭的な保育の実践
小規模な保育園で園児の人数が少ないこともあり、担任以外の職員も一人ひとりの子どもの個性、家庭状況などの共通理解のもと、一人ひとりを尊重し褒めたり注意したりするなどの細やかな気配り、目配りで家庭的な保育が実践されている。

3.安全・安心な保育環境の整備と災害時における安全確保のための工夫
大貫保育園の組織目標の一つに「安全対策の充実」を掲げ、安全点検表・保育園事故災害防止点検表等を用いた「危機管理マニュアル」を整備し、それらに基づいて定期点検を行い、安全・安心な保育環境の確保に努めている。また、「防災マニュアル」を整備し、地震・豪雨・火災等における子どもの安全確保のため年間計画に基づき毎月の避難・防犯訓練と年に一度の保護者への園児引き渡し訓練を実施している。昨年度の引き渡し訓練は、園に隣接する指定避難場所の大貫小学校との合同訓練とし、小学校との連携と保護者の協力のもと引き渡しが実施された。給食関係では、「緊急時災害時給食対策マニュアル」を園独自に作成し、保護者が迎えに来るまでの食事提供用の備蓄品を保管し、備蓄品等で作る工夫したメニューも考案され、緊急時に備えている。

4.アレルギー疾患のある子どもについての適切な対応
那須塩原市の「アレルギー対応マニュアル」が整備され、アレルギーについての対応、保護者への説明、生活管理指導書等が詳細に示されており、マニュアルに従って計画・実践がなされている。保育園では、全保護者へアレルギー疾患について理解を求める手紙を配布したり、「口の周りの食べかすはきれいにしてから登園して頂きたい」というお願いをクラスだよりに掲載するなどの取組を行い、さらに園としても細かく入念な確認をしている。また、その子ども専用のテーブル・椅子での食事、テーブル拭きも色分けして他園児と区別している。他園児の衣服に食べ物がついている時には着替えさせるなどきめ細かく入念に対応している。
◇改善を求められる点
1.塩原地区の保育ニーズ減少に対する中・長期的なビジョンと計画の策定
那須塩原市では、大貫保育園の属する塩原地区の入園待ち児童数の推移等から「第2期那須塩原市保育園整備計画」の中の施策で、「本計画中に公立保育園の今後について方向性を決める」検討対象保育園に大貫保育園を含めている。大貫保育園でも、園の属する塩原地区の少子高齢化による保育ニーズ減少等の経営状況を把握している。具体的には、塩原地区からの入園児童数の減少(入園児童は過去5年間で11名)、西那須野地区からの入園の増加(同31名、西那須野地区の待機児童の解消の代替としての役割を担っている)、また、卒園することなく西那須野地区への途中転園(同16名)などの課題を抱えている。小中学校に関しては、園に隣接する大貫小学校を含む4小中学校を統廃合し、令和5年に関谷地区に「義務教育学校」(小中一貫教育校)を開校する予定である。このような状況を考えれば、大貫保育園についても、地域毎の将来的な保育ニーズと保育の受け皿のバランスを踏まえて園の在り方を検討し、中・長期的なビジョンと計画の策定することが望まれる。

2.地域の福祉ニーズ等を把握するための取組
保育園としては、園に隣接する大貫小学校との交流から地域の福祉ニーズ等を把握することはあるが限定的であり、塩原地区の福祉ニーズ等を積極的に把握する取組は特に行われていない。また、入園児童数の多い西那須野地区の福祉ニーズ等を把握するための園独自の取組も行われていない。例えば、西那須野地区からの園児の保護者の通園・通勤時間等の負担の把握、西那須野地区へ途中転園する園児の保護者の転園理由の集計等が考えられる。これらの地域の特性を踏まえて福祉ニーズ・生活課題等を把握するための取組が望まれる。

3.家庭との緊密な連携・保護者への情報提供の取組
保護者アンケートでは、「保育園での子どもの様子を知りたい」という意見が多数出されている。特に連絡帳のない幼児組では朝夕の送迎時に担任に会う機会や時間的な余裕もなく、十分な情報交換には限度があり難しい。保護者が朝夕必ず通る玄関のカードリーダーやベランダ等に、各クラスの「今日の活動」「お知らせ」等を掲示するなどの情報提供の行われることが期待される。さらに、玄関等に献立メニューと毎日の給食の現物を展示することによりその日の献立表と実際に食したものがつながり、保護者の食への関心、親子での食の話題作りとなり、会話も深まると思われる。

(付記)政府の栃木県への緊急事態宣言発出の中で、那須塩原市役所保育課から要請があり、本来は訪問調査が基本であるが、今回の調査は急遽Zoomによるリモート調査に切り替えられた。Zoomミーティングによる聞き取りや資料閲覧はもちろん、iPadでの撮影・中継により保育園の室内外の観察もZoomにより行われた。また、保育士等への個人面談は電話により1対1で行われた。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
令和2年度は新型コロナ感染症拡大防止の対策を取りながらのため、いつもの年のような保育にはなりませんでした。評価基準の園内研修に、園全体で取り組むことができ、一人ひとりが、自分の保育を見つめ直す機会になりました。又、第三者評価を行うことで、保育園としての課題も、把握することができました。
第三者評価調査者の方から出していただいた改善点『各クラスの「今日の活動」「お知らせ」等を掲示するなどの情報提供』は、直ぐに取り入れ、掲示することができました。保護者の食への関心も深まる『給食の現物を展示する』件については、来年度に向けて、準備していきます。
Zoomを使用してのリモート調査となり、調査者の方には、大変お世話になりました。
利用者からの信頼を得ることができ、質の高い福祉サービスを提供することができるよう、さらに努めていきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。