とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 栃木市大平南第1保育園 種別 保育所
代表者氏名 島田 咲喜子 定員(利用人数) 45
所在地 〒329-4423
栃木市大平町西水代1705-2
TEL 0282-43-2704
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和元年7月19日(契約日)~ 令和2年3月6日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (平成26年度)
■総評
◇特に評価の高い点
○不十分な施設環境の中でのアットホームな働きやすい職場づくりへの取組
保育園の施設は平成6年に建設されたが、開設当初とは状況も様変わりし、備品・家具・照明等の改善が必要となっている。さらに、求人難の経営環境に起因する保育士不足もある。そのような施設環境ではあるが、職員の行動には、熱意、意欲、温かさが感じられ、職員アンケートの結果でも、職員の就業状況や意向を把握し改善に取り組んでいることに関しては高い評価となっている。職員間で気軽に相談し合ったり情報交換が出来たりするとの記述もあり、働きやすい職場環境であることが窺える。また、保護者アンケートでも、アットホームな雰囲気があるとの回答が多数寄せられている。時間外勤務命令書や出勤簿、年次有給休暇簿などによる就業状況の把握に加えて、定期的な健康診断やストレスチェック診断が実施されている。園長は、職員の心身状況について、毎日さりげない観察を行うとともに、職員間のコミュニケーションを大切にし、ワークライフ・バランスへの配慮を重視している。

〇保育園全体での見守りと支援
定員45名の小規模園の特色を生かし、一人ひとりの子どもの発達や家庭環境を全職員が共有し、同じ目線で対応することに留意している。保育士は子どもの言葉や態度から常に気持ちを受け止め、やりたい気持ちを大切にしている。また家庭状況をよく把握し、保護者の生活習慣や風習、言葉などに配慮して、個々に合わせた支援を行っている。子どもの状況の変化や課題等については、朝の連絡会議や定期的な会議の中で詳細に共有し、検討している。
○保育園を支える保護者の園に対する高い関心
毎月の園だよりに各クラスの保育のねらいを記し、保育活動に対する保護者の理解を得るよう努めている。また、「重要事項説明書」の取り交わしにより、保護者が保育園の運営方針や利用についての決まりを確認できるようになっている。園では、毎日の送り迎えの他、保護者会を兼ねた入園式や運動会、夏まつり、発表会、さらに保育参加など、保護者が園を訪れる機会が多く、子どもの園での様子をうかがい知ることができている。行事の後には感想や意見を求めるアンケート調査を行い、保育の改善等に活かしている。今回の第三者評価に伴う保護者アンケートも含めて、園が実施するどのアンケート調査も回収率が高いことに加え、草取りや清掃、施設保全など保護者会主催の奉仕作業へ多くの保護者が参加している状況から、園に対する保護者の関心の高さが窺える。

◇改善を求められる点
〇自己評価・第三者評価から明確になった課題を文書化し活用する仕組みづくり
課題を文書化することは、目に見える形にすることであり、これにより改善策や改善計画への展開が強固なものとなる。毎年、前期・後期に分けて、職員全員で「自己評価チェックリスト」による評価を行い、その結果をまとめ問題点の把握を行っているが、保育の質の向上に結び付けることは不十分であり今後の検討課題となっている。平成26年度に第三者評価を受審しているが、当時の職員は数名しか残っておらず、評価結果の周知や改善策の推進に苦労をしている状況である。自己評価・第三者評価から明確になった課題については文書化されていないので、その後の活用に弱い点が見受けられる。評価結果を十分に活用するためにも、明確になった課題を文書化し、事業計画等に反映し改善に結び付ける仕組みづくりが望まれる。

〇入園状況の変化に合わせた施設環境整備
施設は建設当初から増築はなく、保育室は4部屋あるが入園児の年齢構成等の変化により、遊戯室を保育室として使用せざるを得ない状態である。また、建物の構造上保育中の声やピアノの音等が隣室に響くため、保育士は様々な工夫や改善を行い落ち着ける環境を作ることに努力しているが、厳しい状況が窺える。また、生後6か月から子どもを受け入れているが、乳児室に調乳室がなく事務室の給湯コーナーを利用している現状にある。今後は保育室の間仕切り壁や調乳室、照明等の改善を行い、子どもが落ち着いて生活できる環境を整備することが求められる。

〇保育所等の変更にあたっての保育の継続性に配慮した対応
転園や移籍に際して、相手先が公立保育園であっても、当該児に関する情報を記した文書や児童票を送る措置はなく、必要に応じて口頭で連絡するのみとなっている。今後、市の保育所整備計画に沿って、閉園される保育園の子どもが当園に移籍してくることも予測され、保育の継続性に配慮することが求められる。普段の保護者の都合による転園であっても、保育の継続性を担保するためには児童票のやり取りか、情報を記載した文書を作成して受け渡すことが必要であり、現在、市内の園長会議で検討中とのことなので、議論の進展が期待される。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
園長、主任保育士におきましては、保育園運営における多方面に渡る多大な認識、園全体の把握が必要とされており、その任務において日々努力しております。特に赴任一年目の園長におきましては、園の把握がまだ不十分の状態であり、この度の第三者評価を受けるにあたっては心配、不安が募る中で準備させていただきました。しかしながら、この機会を経て、「大平南第1保育園」を分野別に考えることが出来、曖昧な認識が整理されていきました。これはクラス運営にあたる保育士達も同じかと思われます。特に保育士面接において多種多様な質問に答え、保育観等々を言葉にすることで自分自身の「保育」が整理できました。同時に保育士の思いを一旦受け止めていただいた上で、更に向上するためのアドバイスをいただいたことで、新たな方向性が見えてきたようです。園長、主任におきましても面接を経て、丁寧な説明をいただいたお陰で、今後の見通し、更に必要なものは何なのかが見えてきたところです。私達、保育者は十分な保育をしているという自己満足に終わってはなりません。もちろん単なる保育、一辺倒の保育であってはなりません。より良い保育の提供が必要とされていることを再認識しなくてはなりません。思う以上にたくさんの方々から求められています。それは地域の方々からであったり、保護者からの思いであったり、あるいは純粋なまなざしで訴えてくる園児からの可能性もあります。今、「大平南第1保育園」に何が必要とされているかアンテナをはり、目を向け、温かく迎える体制が大切だと認識しました。そして「文書化」の必要性です。全保育士の意見が反映された当園独自の文書作成の重要性を認識しました。市で統一したものを土台に独自性も取り入れ、保育に反映できるものとして作成していきたいです。
今回、第三者評価を受けたことで、全職員、「保育」の向上における認識を高められたと思います。先ずは主任と検討し、全職員に周知し、来年度に反映出来るように会議等で検討し合い、共通理解を深めるなどして、一つ一つ進めていきたいと思います。行政の力なくては進まない事も多々ありますが、現職員の力で出来ることで「大平南第1保育園」がより一層前進しますように努めていきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。