とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 ひまわり保育園 種別 保育所
代表者氏名 印南 美加子 定員(利用人数) 70人(74)
所在地 〒329-2801
栃木県那須塩原市関谷1173-1
TEL 0287-35-2226
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和4年5月6日(契約日)~ 令和4年8月31日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3回 (2015年度)
■総評
◇特に評価の高い点
〇 園全体のチームワークで取り組む一人ひとりを大切にした保育
 ひまわり保育園の保育士倫理要項に「一人ひとりの子どもを心から尊重し、子どもの育ちと保護者の子育てを支援する」と掲げ、年度初めに「親のねがい」を提出してもらい、それぞれの子どもの目標を定め保育をしている。子どもが達成感や満足感を感じ自己肯定感を育てるために、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から活動が制限される中でも、全職員が一丸となり可能な範囲で多くの経験が出来るよう工夫し取り組んでいる。保育士は生活や遊びの中で、子どもの気持ちを汲み取ることや子どもの発想を大切にし、活動の準備をしすぎない・言葉をかけすぎない等に留意し支援を行っている。子どもの状況を園全体で共通理解し保育にあたっていることは、保護者の「一人ひとりの個性を大切にしている」「成長に合わせたのびのびとした保育をしている」「保育士が全ての子どもを把握している」等の声からも窺える。 

○ 利用者満足の向上を目指した取り組みと保護者が気軽に相談できる雰囲気
 普段から行事ごとに保護者の感想や意見を収集するとともに、年度末には「保護者評価」を実施しており、保護者からの意見により、改善策を検討してその結果を保護者に返すことができるよう取り組んでいる。重要事項説明書には「要望・意見・相談等については、苦情受付担当者に限らず、各クラス担任でも受け付けている」と記載し、常に相談に対応することを表明している。保護者アンケートには、「子育てに悩む時、親身に話を聞いてくれる」「保護者の意見をきちんと聞いてくれる」「保育士が優しく親しみやすくて話しやすい」との記述が見られ、相談対応が浸透していることがわかる。ベテラン保育士が多いこともあって、保護者の良き理解者、支援者となっていることが窺える。

○ 経営課題の克服に向けた取組
保育環境は地域間格差の拡大と共に、少子化による園児の減少と、一方では保育士不足という相容れない状況に直面している。当園では保育に関する地域ニーズの的確な分析により、前者に関しては、地域特性を鑑み定員枠の縮小(地域の保育事情に臨機応変に対応できる処置として)とそれに伴う経費節減で対処している。後者に関しては保育士の労働環境に着目して、残業の低減(経費節減にも寄与)や有給休暇の消化率向上などで定着率を高めている。地域によって保育士不足で四苦八苦する同業他社が多数存在する中、定着率の高さと勤続年数の長さ(平均14.5年)は際立っている。
◇改善を求められる点
○ 組織的に行う評価・見直しの仕組みの再構築
 各クラスの指導計画や保健・食育・安全・行事等の評価・見直しが行われ、年度末には保護者評価も行っている。しかしその評価・見直しが、その年度の全体的な計画の評価・改善にどのように繋がり、次年度に生かされているか記録がなく、職員への周知方法も明確でない。園としても評価・見直しが保育の質の向上に結び付いているか検証することが必要とは捉えている。保育や保護者への子育て支援の状況を評価により確認し、把握された課題の解決が「保育の実施方法に反映させる事項」なのか、「保育の質の向上に関わること」なのかを明確にし、組織的な見直しを行うことで適切な改善に繋げることができるよう、評価・見直しの時期の設定や記録の方法、各指導計画の変更の手順、職員への周知方法の仕組みを再検討し明文化することが期待される。

○ 個人目標の設定方法の工夫
 職員の専門性と質の向上および人事考課に資するために、毎年度職員の自己評価を実施している。自己評価に掲げる個人の年間目標は職員自らが設定して、期中と年度末に園長・主任保育士との面談で評価している。年頭の面談は業務の都合上行っていないが、園長・主任保育士と職員が「なぜこの目標に取り組むのか」の納得感をもち一体感をもってスタートするためにも、年度末の評価段階で「ここが足りなかったので、来期の目標はこのように設定する」など話し合いの結果を活用することが望まれる。また、新卒者や途中入社者に対しては、その都度、面談を行って目標を設定することで、園長・主任保育士と職員の間で職務に関する認識や個人目標についてのズレが生じないことを期待したい。

〇 人口減少にともなう地域事情を考慮した地域福祉への貢献
 ひまわり保育園は地域との関わりが深く、早くから保育事業の他に地域子育て支援センターとして子育てサロン「きらっと☆ルーム」を運営してきた。地域の子育て世帯の減少に伴い、子どもの数も減っており、3つの小学校と中学校が統合して義務教育学校「箒根学園」を設立する計画が進められている。先々、園の利用者が減ることが目に見えていて実際には利用定員の削減を図っており、子育てサロンの利用数も激減している。その一方で、地域の高齢化率はますます高くなり、この傾向は一段と進むことが予測される。今後、保育や子育て支援だけではなく、保育園の施設や法人の人材を活用した地域福祉貢献活動ができないか、法人とともに検討することが期待される。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者からの視点で評価をして頂いたことで、管理者(園長、事務長含む)や保育者では、なかなか気付きにくく当たり前である…と思っている事、または過信しすぎている所など、良い点と改善点が明確になった。
 自己評価からコロナ禍とはいえ、日々の保育の積み重ねにより継続することの大切さや、改善時には、そこに辿り着くまでの過程が大事であり、記録をしっかり取ることで新しい保育へのヒントとなる事が分かった。
 標準的な実施方法においては、様々な会議等で検討し見直し等は行っているが、記録として、また共有方法の仕組みとして生かす事ができるように職員全体で設定し直す機会となり、早期対応の必要性を改めて感じた。
 今後より一層、保護者や子どもたちにとって、環境豊かで温かな雰囲気の中、良い保育サービスを目指していきたい。
※今回の評価に当たっては励みとなる言葉やご尽力を賜り、心から感謝致します。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。